お経のないお葬式に参列して

 人生の中で、大きな影響を与えてくださった大切な人を失いました。

 その方は、看護学を教えられる教授でしたので、ご自身の病気のことはとてもよくご理解されていました。そのため、生前より、自分の死期が近づいていることを察知されて、こういうお葬儀をしてほしい、ということを、ご主人に託されていました。

 生前の教授がどのような宗教を信じられていたのか、まったく知りませんでしたが、一般の葬儀場にて、通夜、お葬儀があるということを聞いて、喪服を着用して、うかがいました。そうしたところ、そこでは、お経など流れておらず、教授が生前にお好きだった音楽が流れており、飾られているものは、教授の生前の業績である著書などで、家族の写真や教え子との写真などが周囲にあふれていました。

 教授だけは、棺のなかで、生前にお好きだったシャネルのスーツをきてらして、今にも起きてきそうな、そんなふうにきれいにメイクをされて、横たわれていました。そして、周囲は、教授にお世話になったメンバーが取り囲み、思い出話をしていました。

 このようなお通夜やお葬儀もあるんだ、と参列をして思いました。